Learning from the Fields

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横山 智 [名古屋大学大学院環境学研究科・研究科長・教授・博士(理学)]

Prof. Satoshi YOKOYAMA Ph.D. [Dean, Graduate School of Environmental Studies, Nagoya University]

地理学を専門とする名古屋大学の横山 智のWebサイトです。自然と人間活動の相互関係の解明に関心があり、東南アジア大陸部を主たる調査地として、グローバル化に伴う土地・森林利用、自然資源利用、人口動態、食文化の変化に関する研究を実施しています。サイト名“Learning from the Fields”は、「フィールドから学ぶ」という意味です。このWebサイトでは、現地の自然や人びとから多くのことを学んで得られた研究成果を紹介いたします。

専門分野: 文化地理学(伝統的社会の文化生態学, 政治生態学, 食文化)/東南アジア地域研究(特にラオス)

拙書『納豆の起源(NHKブックス No.1223)』NHK出版(2014年)で紹介した写真をカラーで紹介する特別ページを開設しています。東南アジアとヒマラヤの納豆をのぞいてみたい方は『納豆の起源』特別サイト(スマホ非対応)にお入りください。

Book_60_episodes

横山 智・湖中真哉・由井義通・綾部真雄・森本 泉・三尾 裕子共編『フィールドから地球を学ぶ: 地理授業のための60のエピソード』古今書院

2023年3月18日発売、138ページ、3300円(税込) 「日本地理教育学会・第3回出版文化賞」受賞

日本学術会議の地域研究委員会・文化人類学分科会および地域研究委員会・地球惑星科学委員会合同 地理教育分科会に所属する会員および連携会員を中心に企画した書籍です。2022年度から高校社会科の必修となった「地理総合」の教育に活かすことを目的に、地理学と文化人類学を専門とする研究者が世界各地でのフィールドワークによって得られた最先端の知見を「問い」と資料からなるエピソードを掲載しております。

世界各地の様々な民族の社会文化、そして自然と人々の暮らしを平易な文章でわかり易く見開き2ページで記述しており、地理総合を学ぶ高校生のみならず、より詳しく学びたい方々のための参考文献も掲載しておりますので、大学の教養課程でも利活用できるように編んでおります。

Book_Doing Fieldwork on Fermented Foods in the World

横山 智編『世界の発酵食をフィールドワークする』農山漁村文化協会

2022年1月28日発売、240ページ、2090円(税込)

名古屋大学博物館・第28回特別展(2022/03/22-09/24)の開催に合わせて、農文協から書籍を刊行しました。本書を読むと特別展をもっと楽しむことができます!

世界各地で、農畜水産物を長期に保存したり、うま味を醸し出す発酵食を調味料として利用したり、栄養豊かな発酵食を主食としたりする人間の営みにフォーカスを当て、地域の食文化における発酵食の位置づけ、発酵食と社会との関係を明らかにしました。

取り上げた地域は、日本、モンゴル、カンボジア、タイ、ラオス、ミャンマー、ネパール、エチオピア、アフロ・ユーラシアの乳加工品をつくる地域。そして、インジェラ、エンセーテ、納豆、ナレズシ、塩辛、魚醤、後発酵茶、馬乳酒、チーズ、バター、醸造酒、餅麹などの発酵食品を取り上げています。

農文教「編集室からとれたて便」に、カラー写真、目次、試し読み、書評などの詳細な情報がありますので、ぜひご覧ください。

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横山 智『納豆の食文化誌』農山漁村文化協会

2021年6月23日発売、301ページ、2970円(税込)

納豆はご飯のおかず? 調味料? 味噌、醤油と並んで和食に欠かせない納豆は、アジア全域でもおなじみのソウルフード。でも各地の納豆を見れば、トウチや魚醤と同じく調味料としてや、チーズがない時期の代用品として使われたり、植物の葉や段ボール箱の中で自然発酵させたり……地域によって納豆の姿はさまざま。日本では、かつて「ハレ食」だったのが、現在は健康食として、伝統食材としても見直され始めています。地域や時代につれて変遷をとげる「アジア・日本の納豆」の深い世界を、豊富な写真や図版とともに伝えます。

農文教「編集室からとれたて便」に、カラー写真、目次、試し読み、書評などの詳細な情報がありますので、ぜひご覧ください。

新 着 情 報

2024/03/01
ラオス料理レストランを開業する岡田尚也さん(Yulala)・小松聖児さん(小松亭タマサート)の書籍『ラオス料理を知る、つくる』に、「ラオスの食文化概説」と「ラオス北部のレアな発酵食品」を執筆いたしました。
2024/01/30
1月30日に開催された「東海の食文化に欠かせない 発酵の新たな魅力を考える」において基調講演「食を支える発酵調味料~日本の納豆とアジアの納豆~」を行いました。たくさんの方々に参加して頂きました。ありがとうございます。
2024/01/17
出張講義「世界の納豆をフィールドワークする: 納豆は日本の伝統食か?」を南山中学女子部(1年生・約200名対象)で実施しました。生徒達から、たくさんの質問を頂きました。高校生への授業は何度かやったことがあるのですが、中学生は初めてだったので不安でしたが、興味を持って聞いて頂けたようでホッとしました。
2023/12/18
南宮智娜さん(愛知大学研究生/名大大学院満期修了)との共著論文が"Journal of Quality Assurance in Hospitality & Tourism"に受理され、Taylor and Francis OnlineのLatest articlesに掲載されました。[Nangong, Z. and Yokoyama, S. 2023. Package tour distribution channels of major Japanese, Chinese, and South Korean travel agents. Journal of Quality Assurance in Hospitality & Tourism DOI: 10.1080/1528008X.2023.2294922]
2023/12/14
公益財団法人たばこ総合研究センターの機関紙「TASC MONTHLY」(No.576)の随想のコーナーに「納豆の奥深き世界」を執筆しました。
2023/12/14
JICAの青年海外協力隊機関紙『クロスロード』(2023年度別冊)に『フィールドから地球を学ぶ』が紹介されました。
2023/11/18
農林省東海農政局からのプレスリリースです。2024年1月30日に名古屋で開催される「東海の食文化に欠かせない 発酵の新たな魅力を考える」の参加者募集です。微力ながら、私が基調講演をします。お近くにお住まいの方、参加いただければ嬉しいです。
2023/11/10
名古屋大学未来社会創造機構オープンイノベーション推進室が実施する「第20回東海オープンイノベーションサロン (TOKAI OPEN-INNOVATION SALON SEMINAR 20th)」の「食品ロス・アップサイクルを考える ー生産・加工の現場から食卓までー 」にて講演「食材を発酵させるとは? ―人類の営みとしての「発酵」―」をさせていただきました。多くの企業の方々と情報交換をさせていただき、大変刺激になりました。
2023/11/06
プレジデント社の『dancyu』2023年12月号は、創刊以来33年の歴史の中で初めての「納豆」大特集です。「納豆にまつわる超Q&A」と「面白すぎる! アジアの納豆」のコーナーで解説をさせていただきました。美味しそうな納豆が満載ですので、ぜひ手にとって御覧ください。
2023/11/03
大阪の「咲くやこの花館」で開催された「インドネシアフェスティバル -多様性の国-」のイベントにて「インドネシアの発酵食文化〜東南アジア諸国との比較から〜」を講演しました。多くの方にご来場いただき、誠にありがとうございます。
2023/10/01
2023年度 第4回 地理総合オンラインセミナー(2023年9月30日)にて「調味料から見る食のグローバライゼーションとローカライゼ―ション」を発表いたしました。後日、地理総合オンラインセミナーのWebページで、発表スライド等が公開される予定です。
2023/09/13
食品科学新聞社から刊行されている月刊誌『フードケミカル』の2023年9月号に寄稿した「東北タイとラオスの多様な発酵食品」が掲載されました。
2023/08/21
横山 智・湖中真哉・由井義通・綾部真雄・森本 泉・三尾 裕子共編『フィールドから地球を学ぶ: 地理授業のための60のエピソード』古今書院が「日本地理教育学会・第3回出版文化賞」を受賞いたしました。編者・著者の共同受賞です。
2023/08/21
日本伝統食品研究会『伝統食品の研究』第49号に名古屋大学博物館特別展「世界の発酵食をフィールドワークする」の報告記事を執筆いたしました。(刊行が遅れたので出版年は2022年になります...汗)
2023/08/20
科研費の研究成果を日本地理学会E-journal GEOに投稿し、第18巻第2号に特集号「ラオス小規模社会集団の人口変動と生業変化」として論文6本が受理され、J-Stageで公開されました。
(1) 横山 智 2023. 特集「ラオス小規模社会集団の人口変動と生業変化」によせて. E-journal GEO 18(2), 258-263. DOI: 10.4157/ejgeo.18.258
(2) 高橋眞一・横山 智・西本 太・丹羽孝仁 2023. ラオス中部天水田農村における人口増加と世代による生業の変化. E-journal GEO 18(2), 264-278. DOI: 10.4157/ejgeo.18.264
(3) 丹羽孝仁・西本 太, 高橋眞一, 横山 智 2023. ラオス北部農村における農村間人口移動: ルアンパバーン県HB村における転出入に着目して. E-journal GEO 18(2), 279-290. DOI: 10.4157/ejgeo.18.279
(4) 横山 智・高橋眞一・丹羽孝仁・西本 太 2023. ラオス北部における遠隔地農村の人口動態と水田所有. E-journal GEO 18(2), 291-308. DOI: 10.4157/ejgeo.18.291
(5) 佐藤廉也・蒋 宏偉・西本 太・横山 智 2023. ラオス中部における焼畑民の食料獲得戦略─食事日誌の副食材料データ分析から─. E-journal GEO 18(2), 309-323. DOI: 10.4157/ejgeo.18.309
(6) 蒋 宏偉・佐藤廉也・横山 智・西本 太 2023. ラオス中部の焼畑農耕民における生活活動の時間配分と空間分布. E-journal GEO 18(2), 324-338. DOI: 10.4157/ejgeo.18.324
2023/08/03
JICA青年海外協力隊事務局の『クロスロード』2023年8月号に『世界の発酵食をフィールドワークする』の書評が掲載されました。
2023/06/24
6月24日(土)〜25日(日)に高知市オーテピアで開催された『日本熱帯生態学会 第33回年次大会』に「ラオスにおける発酵食研究とABSへの対応:名古屋大学での取り組みを事例として」と題する口頭発表を行いました。
2023/06/01
『フィールドから地球を学ぶ: 地理授業のための60のエピソード』の書評が古今書院『地理』2023年6月号(817号)に掲載されました。
2023/05/18
Springerの書籍"Methodological Approaches in Integrated Geography"に、論文'Livelihood Changes in Small-Scale Traditional Societies: A Political Ecological Approach'が掲載されました。
2023/05/11
2023年5月11-12日に開催されたFermentation in Italy & Japan 2023にて'Is Japanese natto a traditional fermented food?'とのタイトルで発表いたしました。本当は現地発表する予定だったのですが、研究科長になってしまったために日程が合わずオンライン発表させていただきました。イタリアに行きたかった・・・(涙)
2023/04/11
味の素食の文化センターが刊行する『vesta』第130号(2023春)の特集「発酵と文化」に「東南アジアとヒマラヤの納豆食文化」が掲載されました。
2023/04/03
鹿島学術振興財団の一般研究助成に「中国およびラオスにおける少数民族の再定住事業:集落の空間変容がいかに民族文化を変化させるか」が採択されました。これから2年間、中国とラオスで再定住(Resettlement)事業に関する調査研究を実施します。
2023/04/03
2023年4月より日本学術振興会・学術システム研究センターの専門研究員を拝命いたしました。任期の3年間は、使命を全うすべく、小生が担当する地理学、地域研究、文化人類学の学問分野の振興ために全力を尽くす所存でございますので、皆様方のご指導、ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
2023/04/03
2023年4月より名古屋大学大学院環境学研究科長を拝命いたしました。任期の2年間は、使命を全うすべく、環境学研究科ならびに名古屋大学の発展のために全力を尽くす所存でございますので、皆様方のご指導、ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
2023/03/17
古今書院から私が編者となった『フィールドから地球を学ぶ: 地理授業のための60のエピソード』が刊行されました。
2023/02/02
私がブータンの醸造酒アラの写真を提供した『世界のお酒図鑑: 112の国と地域の地酒を酒の雑学・お約束とともに解説 (地球の歩き方BOOKS W 27)』がGakkenから刊行されました。
2023/01/31
日本地理学会創設百周年事業の一環として,日本地理学会編『地理学事典』が丸善出版より刊行されました。私は「アジア研究」と「資源と生業」の2項目を執筆させていただきました。
2023/01/03
現在実施中の科研費『アジア発酵食文化圏の再構築を目指す学際的研究』(基盤研究(A),研究課題番号 21H04375)が,生物多様性に基づく規定および名古屋議定書に基づく規定に沿って遺伝資源の研究を実施するために,ラオス政府とABS(遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分)に関して相互に合意を行いました。ABSクリアリングハウスにIRCC(国際遵守証明書)ABSCH-IRCC-LA-262827-1が掲載されました。